技術考察 - ナオトインティライミさんの歌い方
声の特性・歌の特徴
【声帯・声質】
■部分振動のクリアハスキーボイス
内甲状披裂筋(声帯の喉頭原音)と口蓋喉頭筋が意識されたよく抜ける声が印象的で、マイクにノリやすい声を作り上げています。
【呼吸法】 ■複式呼吸 ※複式呼吸の解説はこちらをご覧下さい。
「腹式呼吸」に限定されていないので、胸が上がったり胸郭が開いたりしています。
呼吸に要する筋肉はアウターマッスル(腹筋や背筋)を用いています。
【呼吸】 ■息を吸う ※吸うと取り込むの違いについてはこちらをご覧下さい。
ブレスの仕方は「息を吸う」ことを基本にしているようです。
【発声】 ■ミックス型 ※カテゴリ解説はこちらをご覧ください。
地声の高音部分は完全なる地声とはまた違う地声寄りのミックスボイスで、喉の力みはないようです。
【発声ベース】■ 表声ベースミックス
地声発声のでの音域が長いことが特徴的。音域をぎりぎりのところまで引っ張り上げてファルセットミックスへ転換させていることや、純正のチェストボイスで張り上げて発声していること、チェストから呼気圧をしっかりかけて、ミドルボイスに転換していること、細かな抑揚1番を使って歌っていることなどから
表声ベースであると思います。それにプラスして「インナーポンプも使用している」ので表声ベースミックスと言えるでしょう。
【喉のポジション】 ■高め(部分振動)口蓋喉頭筋の意識
喉頭のポジションが高めなので、透き通ったやわらかい地声、共鳴感のある声を可能にしています。
【主に使用している声区】 ※声区の解説はこちらをご覧ください。
部分振動のチェストボイス、全体振動のチェストボイス、地声寄りのミックス、ファルセットミックスボイス
【共鳴】 ■鼻腔・アデノイド中心
ナオトさんの特徴的な声の一つです。鼻腔は共鳴腔としてはあまり用いられませんが、いわゆる
「鼻にかかった声」(鼻腔)を意識することで、愛着があり幅広くだれにでも愛される声になり、アデノイドを意識した共鳴によって抜けた声質、可愛らしい透き通ったキャラクターを表現しています。
【ピッチ】 ■♯ピッチ+浅めの♯♭
一つ一つの音の取り方を♯にすることで、抜けるような聞こえ方を実現させています。
フレーズによっては♯→♭させることによってナオトさんの特徴的な聞こえ方を実現しています。
【テンポ】 ■32分休符理論 ※テンポの解説はこちらをご覧ください。
32分休符理論を用いることで、R&BテイストのようなJ-POPを表現しています。
【リズム】 ■逆U字リズム ※リズムの解説はこちらをご覧ください。
体を山並に左右に振ることでノリを立たせています。
【グルーヴ】 ■ジャストノリ、後ノリ、前ノリ ※グルーヴの解説はこちらをご覧ください。
AメロやBメロ、サビのグルーヴやビート感を変えることによって、「ノリ」が変わるので、
最後まで聞いても飽きることなく、疾走感と爽快感を与える印象の歌を完成させています。
【使用しているポンプ】
アウターポンプ(腹筋や背筋)
最内肋間筋ポンプ(横隔膜あたりにある深層深部の小さな筋肉)
滑舌ポンプ(下の破裂オン、摩擦音の強調)
顎のポンプ(顎を上下に動かすこと)
【滑舌】 ■繊細でソフトな滑舌
舌を柔らかく、繊細に使うことで温かみがあり、優しさを感じさせる歌声を作っています。
さらにリズムを立たせることで、メリハリをつけた表現を可能にしています。
【抑揚】
抑揚1番(滑舌や顎のポンプによってつくられた細かなリズム)
抑揚3番(背筋や腹筋などアウターのポンプを使うことで生まれる大きなリズム)中心の歌唱
【まとめ】
ナオトさんの優しさ、深さは「喉頭のポジション」「共鳴」「滑舌」のミックスによって表現されているものです。
技術習得へのプロセス
■喉のポジションが低く地声で高い声が出しづらい方には、喉のポジションを上げるために口蓋喉頭筋の意識によって高めの地声を出せるようにします。
■ナオトさんの特徴的なピッチの取り方は「♯」。そして細かく入っている♯♭の技術の訓練をします。
■細かい歌い方、抑揚ができるように滑舌VP理論を用いて、さらっとした滑舌でありながらも、リズムが立つように訓練。
■テンポの取り方を32分休符理論に基づいて訓練をし、リズムの1番、2番を強調したナオトさんの技術を訓練します。
■ジャストノリ、前ノリ、後ノリを理解して、心と体が揺さぶられるような「ノリ」を作ります。
技術習得まので期間
■2年〜3年
これはこれから歌を始められる方を対象とした期間です。
この期間は一つの目安であり、実際の技術習得には個人差があります。